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ということで子猫は、元のケージの中へ戻されようとしていた。
※※※※
その時、子猫は私に気が付いた。
私は子猫に見つめられて、心を奪われていた。
「あの、すみませんが私に抱かせてください。」
子猫は、私の言葉に満足そうな視線を送ってきた。
その時、私はまだ気づいていなかった。
その瞳の耀きの意味を。
※※※※
かくして今、私のアパートの部屋にはあの時の子猫がいる。
大家さんには内緒である。
ペットオッケーの部屋ではない。
だけどありがたいことに、この子は「ミー」とか、「ニャー」とか声を出さない。
あのペットショップでは、かわいらしい声を聞かせていたはずなのに。
でも、愛くるしい仕草は一緒だ。
とにかく、可愛らしいことに変わりはないのだが、何故か違和感。
私は、初めての事なのでこんなものなのかと考えていた。
それが最初の間違いだった、のかもしれない。
私は、ドラマなのか?というような生活をしてしまうことになる。
※※※※
朝、目が覚めた。
隣にはあの子猫がいる、可愛らしい目で、私を見つめている。
キャー・・・・何か幸せな時間。
彼氏もいない私、恋もない私、でもこの子はいる。
のめりこみそうだ。
この子猫に。
この部屋しか知らないのはかわいそうじゃないか、急に思う。
公園にでも連れて行こう。
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