17人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
やさしそうな人、第一印象はそんな感じ。
「この子は、なんていう名前ですか。」
そう聞かれて、初めてまだ名前を付けていないことに気がついた。
まだ付けていないと答えると、「じゃあ、これから付けてあげませんか。」
ということになり、二人で色々と考えることになったのだ。
キラキラネーム、さも猫らしいもの、人間の子供にいるようなもの、どんなものが良いだろう。
ミーと、可愛い声を出すからミーはどうだろうかと子猫を見ると、不満そうな表情をしているように見える。
考えていることがわかるはずはないので、たまたまそう見えただけだろう。
「チャチャなんてどうかしら、毛並みも茶色だし。」
そう言うと子猫は、偶然「フン」と、まるで嫌だというように声を出した。
人語、判るのかなあ。
そんな訳はないか。
「目がまんまるで、とっても可愛いいから、まるちゃんはどうですか。」
彼がそう言うと、子猫は嬉しそうにミャーと鳴いて、彼の足にすりすりした。
「何か気に入ってくれたみたいですね。」
それで、この子の名前は“まる”に決定した。
それが、きっかけで二人と一匹は、公園で時々一緒に過ごす仲となった。
その時間は、私にとってすごく楽しいものとなった。
最初のコメントを投稿しよう!