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それに気づいたのか先生は、俺をフォローするような事を言う。
「でも、傘差してたんでしょ?だったら、そんなに濡れてないだろうし…それが原因とは限らないわよ。」
「……」
「元々、風邪気味だったのかもしれないし、インフルエンザの可能性もある。
あとは、寝不足とか無理して体調崩したりとか…。
まあ、色々原因は考えられるから。そんなに加瀬くんが、責任感じることないわよ。」
「……」
「眠れるくらいだもん。きっとすぐに良くなると思うから…加瀬くんも、元気出して。」
「…え…」
…俺、どうして慰められてるんだろう…。
ポカンとする俺を見て、先生はクスクス笑いながら、言った。
「心配で堪らない、て顔してるわよ。」
「えっ?いや、俺は…」
「あ…もう、授業終わるわね。加瀬くん、戻っていいわよ。」
「……」
「広崎さんのことは、私に任して。ね?」
「…はい。」
「大丈夫。もうずっと保健室にいるから。眠っている広崎さんを、1人にしたりしないから。」
「はい。」
その言葉を聞いて、俺はようやく安心して立ち上がった。
「…それじゃ…広崎のこと、お願いします。」
「はい。お預かりします。」
保健師の先生に半分からかわれながら、俺は、ペコッと頭を下げて保健室を出て行った。
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