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ついてるのに興味はありませーん。言うと雫は肩を竦め、「お前のファンが可哀相になってきた」と呟いた。知らんし、そんなのー。俺のせいじゃありません。それに。
「いーんだよ、あの子たちはそーゆーところも含めてきゃーきゃー言いたいんだから」
「振り向いてくれないところが良い、ってか」
「そうそう」
「でも彼女もいないんだろ? ……罪な男だなお前」
「二次元にしか興味ないからファンとかそういうのいらないですって公言してる誰かさんよりはマシですう」
「いやマジ……三次元怖ェよ」
遠くを見る雫に、イケメンも大変だなと肩を叩く。そう、この学園には、学園公認のファンクラブがある。親衛隊みたいなものだ。生徒会役員になると漏れなくついてくる特典で、他にもイケメンだったり可愛かったりすれば、有志が集まってファンクラブを結成する。……みんな暇なんだよ。俺にもファンクラブはあって、にこっと笑いかけるときゃーきゃー言って顔を赤く染めたりするから、素直にかわいいとは思う。男でさえなきゃ。雫は一年のときからその爽やかイケメンな見た目と面倒見のよさからファンクラブが創られていたんだけど、ちょっとしたトラブルがあって解体した。それ以来、何度も持ち上がる創設の話を、雫は断っている。(多分、本人非公式の形で存在している気がする)
「うわ、もーこんな時間じゃん。俺は寝る」
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