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今度、清純そうな女の子を紹介してあげよう。日頃のお礼として。三次元は怖いとか言われそうだから、なんかコスプレとかさせて……アホなことを考えながら、着替えて、髪をセットして(いい感じにピンを留めるのが時間がかかる)、俺は部屋を出た。
学食で朝飯を食べて、教室に行くと、ざわざわと普段よりも騒がしい。「おはよー」と挨拶しながら窓際の一番後ろに腰掛けて、荷物を置いた。
「なにこれなんの騒ぎ」
さすがに、雫とはクラスは別である。クラスまで同じだったらちょっと気持ち悪い。いや、一年までは同じだったのだが、二年になって別れた、といった方が正しい。
「転入生が来るらしい」
俺が話し掛けたのは、前の席に座る久遠くん。赤い髪を立たせて、制服を着崩して、紛れもない不良風の容姿なのに、実は真面目な良い奴だ。
「へえ。何年?」
「一年」
「入学式に間に合わなかったんだねえ……」
昨日の雫との会話をぼんやりと思い出した。それにしても、男共のこの騒ぎっぷりは、異常だ。
「それだけでなんでこんな盛り上がってんの」
「さあ……何でも、超絶美少年、とか何とか」
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