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今までの俺の放課後は、たまに部活に顔を出して、それ以外の日は学園の外に繰り出し、街を歩いて女の子に声をかけ、門限ギリギリに寮に戻るというのが日常だった。孤島にあるこの学園だが、学校以外に何もない、なんてことはない。少し離れたところには姉妹校の女子校もあるし、ちょうど中間地点には繁華街もある。ゲーセン、カラオケ、そしてホテルがあれば、若い男子校生は十分に遊べるのである。そこで適当に女の子をひっかけて、ちょっぴり健全じゃない遊びをして、寮に戻るとゆーのが、青春を満喫していた俺の毎日だったのにィ…。
「今では、書類が恋人です……」
「妙なこと言ってないで手を進めろ」
「そして友達は、鬼畜会長……ぁだっ」
「誰が友達だ死ね」
冷たすぎる……。黒髪短髪、男なら誰もが羨むような整った顔つき(でも目付きはちょー悪い。こわい。)と、筋肉質な身体をもった男前生徒会長に書類で叩かれた頭を撫でてぐすんと鼻を鳴らすと、コトンと音がしてデスクにカップが置かれた。2つ。
「アンニュイな流ちゃんに差し入れだよ」
「ちなみにどちらかには激辛スパイス入りさ」
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