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「流、聞いてくれ」
風呂に入り終わり、明日の支度を終えてさあ寝ようかとしたときに、同室の雨乃雫が、真面目な顔をして俺を引き止めた。うわあ嫌な予感。雫は幼なじみで、親友とも呼べる存在だ。中学から一緒で、何を隠そう、俺がこの学校を受験することになった諸悪の根源……いやいや、きっかけも、この男だった。
「何ー、俺おねむなんすけどお」
「いよいよ、待ちに待った転入生がやってくる!」
「人の話聞いてー」
「王道学園に王道生徒会、そしてさらに王道転入生!? くー、たぎるぜ!」
そしてこの雨乃雫という人は、モデル体型のイケメンながら、非常に変態であった。残念すぎるぜ、友よ…。
「うわあほんとに気持ち悪い」
「輝いてると言ってくれ」
「無理無理ィ。……ていうか、この時期に転入生とか、おかしくない?」
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