夫3

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夫3

 何かをプレゼントしようと街をふらついていたら、妻を見つけた。彼女は無趣味で友達に誘われるか、必要最低限のものを買いに出かけるときしか外に出ない。  珍しいと思いながらも、声をかけようとした。その時彼女が僕の方を見て手を振った。  なんだ、やっぱり朝のは気まぐれか。ほっとしながら妻の方へと歩き出そうとした。 しかしそれは僕の前にいた自分より背の高い男にさえぎられた。 「暁介さん」  暁介さん?誰だそれは。妻が笑いかけたやつは知らない男だった。いや、知らない男というか、さっき自分をさえぎったやつだ。  浮気か?だがまだ男友達の可能性もある。苦しいが親戚の可能性だってある。 「もう11時ですよ?またギリギリに起きました?」  また?何度も会っているのか。 「アキに会うために早起きしてやったのに、そういうこと言うならもっと寝てりゃあ良かった」  アキに会うため?彼女の名前は秋華だ。どうしてそんな呼び方をする?  腕を組んだ。不倫か。やはり朝のは冗談ではなかった。きっとこいつがいるから別れを切り出したのだろう。  僕はそのまま何もせずにまっすぐ家へ帰った。
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