第一話 まほろばの温泉郷
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「あの電車は湯守の忠実なしもべでね。切符がない者は絶対に乗せないのさ。もし、切符がないのに無理やり乗ろうとしたら――」 「の、乗ろうとしたら?」 「そりゃあ、世にも恐ろしいことになるねえ。ひっひっひ」 いったい、何が起こるんですかとは、とてもではないが怖くて訊けない。 あさひは白夜に手を引かれるままに、待合室を後にしたのだった。
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