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「あれは……シェキーナ様です! ……間違いありません……」
レヴィアにそう告げるアエッタの声は、どこか上擦っており喜色ばんでいた。
爆心地に近ければ近い程、その生存確率は低いと推察出来た。……それ程のエネルギーを、メルルの炎は持っていたのだ。
生存者がゼロだと思っていた所に思いも欠けずシェキーナの姿を見つければ、アエッタの声が少なからず喜びに弾むのも仕方がない事だった。
「……本当なのか!?」
そんなアエッタの言葉に、レヴィアもまた笑顔を浮かべて再確認する。
それに対してアエッタは、目を瞑ったまま大きく頷いて肯定したのだった。
レヴィアにしても、シェキーナ一人だけでも生き延びていてくれた事は嬉しい報告であった。
接した期間が短くとも、エルス、メルル、シェキーナ、カナンは誰も尊敬に値する人物であり、レヴィアも少なからず慕っていたのだ。
全滅だと聞かされた時は落胆を隠せなかったが、今はそれを覆す程の喜びが込み上げていたのだった。
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