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変え馬を用い、可能な限りシェキーナの元へと急いだレヴィアとアエッタは、数日後にはシェキーナの姿を捉える事に成功した。
「シェキーナ……様……?」
「……っ!?」
安堵と共に笑みを浮かべたレヴィアは、シェキーナの名を口にして二の句を告げられずにいた。
アエッタに至っては、シェキーナの姿を見るなり絶句している。
レヴィア達は、シェキーナはさぞかし消耗し消沈しているだろうと考えていた。
目の前でエルスやメルル、カナンを失ったのだ。
その悲しみは如何ばかりか、レヴィアとアエッタには想像もつかない事であった。
更にシェキーナは、戦闘後に然したる休息も取らずに行動を開始していた。
殆ど休息を取らずに、只管魔王城を目指して歩を進めていたシェキーナに、体力を回復させる時間など無かった筈である。
その事は、随時「使い魔」にてアエッタが確認していたのだ。
それにも拘らず合流を果たしたレヴィア達が見たシェキーナは、疲労は勿論、悲哀の色さえうかがう事が出来ず、凛とした立ち姿を彼女達に見せていたのだった。
―――いや……それだけでは無い。
それだけで、レヴィアとアエッタが絶句してしまう様な事にはならない。
レヴィアとアエッタの目に映るシェキーナは悲しみや苦しみ、絶望と言った感情を一切発しては居らず。
空恐ろしい程の、憎悪の感情を撒き散らしていたのだった。
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