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「……アエッタ……。どう……なったのだ?」
目を瞑り、何かを視ていたアエッタが息を呑んだのを見て取ったレヴィアが、不安の眼差しを彼女へと向けて問いかけた。
「……メルル様……」
問われたアエッタだったがその事にはすぐに答えず、彼女はメルルの名を口にして二の句を告げられずにいたのだった。
その声は震え、目尻には涙さえ浮かんでいる。
それを見たレヴィアは、その戦いの結果を聞くまでもなく想像出来てはいたが、それでも彼女の答えを求めたのだった。
レヴィアとしても、自身の考えが杞憂であるのならばそれに越した事は無いのだ。
「……アエッタ……」
そしてもう一度、アエッタの名を口にした。
先程よりもゆっくりと静かに。
そして出来るだけ優しく。
レヴィアの言葉で我に返ったのか、アエッタは目を瞑ったままハッとなってレヴィアの方へと顔を向けた。
「……ごめんなさい……レヴィアさん……」
「レヴィアで構わない……。それで……戦いは……」
「……はい……。終わりました……」
レヴィアの言葉に、アエッタはそう答えた。
その声音には愉快な要素など何一つ含まれていない。
悲しみと絶望。
もしもこの場にレヴィアがいなければ、アエッタはそのまま泣き崩れてしまうのではないかと言う程暗く沈んだ声だったのだ。
そしてそれは、レヴィアの考えに確信を与えていた。
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