不幸な少女との出会い

4/10
前へ
/17ページ
次へ
「アンタ誰だっけ? ねろ? 悪いけどそんな奴知らないね」  バタン!!  次へと向かう。  バタン!!  諦めずにネクストにトライ! まだまだ心は折れないさ!  バタン!! バタン!! バタン!! バタン!! (まだまだ折れるワケにはいかないんだ!)  バタン!! バタン!! バタン!! バタン!! バタン!! バタン!!  断れ続けた皆はボクを見るは、すぐさま心を閉ざすようかのように玄関の扉を閉じていく。  そろそろ折れそうな自分をひきずり、最後の知り合いの家を尋ねにいってみせた。  必ず、パーティメンバーの1人でも増やして……奴らを見返すのだ。  自身を蝕む屈辱の檻から抜け出すためにも、ボクの野望はけっして尽きたりはしない。  コンコンと、強めに扉を叩いた。  これが最後の賭けだ! これで断られたら潔くソロ活動開始だ。  財産ゼロではパンのカスすら食べられなくなるだろう。  米が主食のこの王都では小麦粉は貴重だ。 「………………………」  シーンと続く静寂。  誰も出てこようとしない。 (ん?)  無我夢中だったせいか気がつかなかったけど、扉をノックした建物から離れてよく眺めてみると、そこは廃墟だった。  どうやら疲れてしまったのだ。     
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加