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「あそこの弱々しそうな少年がね、そわそわしながら貼り付けたモノなんだよ。きっと元S級パーティメンバーなんてデマだよ……信じないほうが身のためだ」
「なんだと!? それでは寄生が目的か!」
(え! ちょっと! なに余計なことを!?)
男性の話しを聞くは戦士はボクの貼ったチラシ(手書き)を掲示板から剥がし、苛立ちながら破いてしまった。
「2度とこんなマネをするな!!」
ただ立ち去る彼を見て、硬直するしかなかった。
※※※※※※
王都、平民階級の市街区。
「おお! ネロ君ではないか? S級パーティに入ってから王都に顔を出さなくなったが、こんな所でどうしたんだい?」
知人の家を尋ねたボクは泣きながら昨夜、起きた出来事の一部始終を彼に説明してパーティの加入を求めた。
彼は話しを真剣に聞いてくれるから嬉しい、途中愚痴を挟みながら話し終えると彼は腹立ったような表情でボクを同情する。
「そんな事が……気の毒にね」
「でしょ? だからボクの為だと思って! この通り!」
手を合わせて必死に頼んでみせた。
「その、悪いけど、俺も戦闘に特化している職業じゃないからさ、ゴメン。
その話はナシ!」
目を泳がせた彼にバタンと扉を閉ざされてしまった。
元々1度はパーティを組んだ事がある仲なのに、考える暇すら作らないなんて薄情な!
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