最後で、永遠の、アクション

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「最後に教えて欲しい。まだお試し期間は終わってないけど、おれは恋人として合格だったかな」 「……ガチャ回そう」  おれの問いには答えず、碧さんは自分のスマホを取り出してくる。 「あ、おれの写真」  碧さんのスマホの待ち受けは自分の机で転寝しているおれの写真だった。隠し撮りされていたらしい。  そしてアプリの一覧には消されたはずの恋人アプリが残っていた。 「恋人アプリのこと知られて叔父さんに勝手に消されたんだけどバックアップ機能で復元したの。端末の主導権までは戻っていないけど回せるよ」 「じゃあ二人で回そう」  これはたぶん最初で最後のガチャだ。  おれたちは互いの顔を見合わせあって一緒にボタンを押した。  いつものようにハート形が点滅しているのを眺めていたら、急に背景が金色になった。 「すごい、これ確定演出だよ。レアガチャが出るの」  碧さんが興奮気味に叫ぶ。  こんなときにと苦笑いするしかないけど、金色の点滅は否がおうにも期待を高まらせる。  ピロピロリーンッッ。  ひときわ高い効果音とともにガチャが排出される。それを目にしたおれたちは同時に噴き出してしまった。 「いまさら、だよな」 「本当にね」  肩を寄せ合って笑いあう。そのままキスをした。  ほんのり血の味がする。     
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