男の死に様、死なせ様

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 オレの名は“シンディ・ジョーブツ”。世界をまたにかける冒険家だ。  オレは今、ある秘宝を求め古代大家が眠るピラミッドダンジョンに来ている。  そしてたった今、とある野郎に殺された。いや、現在進行形で殺されている。  深い穴に落とされ、岩に押し潰され、槍で串刺しにされ、まさにやられたい放題だ。オレの意思では自由に動けないのをいいことに、何度も何度も。  フッ……これもゲームのキャラとしてプログラムされた宿命か。  その当の加害者、つまりプレイヤーであるボーイは一切の悪気を見せず、むしろへらへら笑いながらプレイしている。まあボーイが楽しいのならそれはそれでOKだ。  ただゲームの腕前はお世辞にも上手いとは言えない。むしろイライラするほど下手クソだ。こんなお粗末なテクニックでは将来大人になり一夜を共にする女にも同じことを言われかねんな。
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