7人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
今日も変わりなく、世界は優雅に回っている。
人間は生活を豊かにするため、あらゆる技術を開発し、布教し、一般化させた。
おかげで街は華やかで、賑やかで、騒々しい。
とはいえ、そんな煌びやかな生活を送れるのは、一部の富裕層だけ。
技術も知識も金で取引される時代。
それらを持たない者は、汗水垂らして地道に働く他ないのだ。
こんなことをバイトの先輩が言っていた。
憂いているようで、ふざけているようで。
僕は商品を補充しながらそれを聞き流した。
このコンビニでバイトを始めて半年が経つ。
仕事はすぐに覚えられた。
店長やバイト仲間との関係も良好で、何一つ不自由はしていない。
裕福ではないけれど、充実している。
夢や希望があるわけではないけど、今の生活を満喫している。
これ以上に何を望むというのか。
最初のコメントを投稿しよう!