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西野は宿題のレポートをするためにパソコン室に向かった。パソコン室は明日提出のレポートを仕上げるためにたくさんの人が来ていたのでひどく込み合っていた。
西野は1つ空いている席があったので座ろうとしたときにクラスメイトの笠井とぶつかってしまった。
「ごめんね」西野は軽く頭を下げて言った。
「えっ、どういうこと」ぶつかった相手が言った。
「気づかかなかったんならいいんだ。気にしないでくれ」
「いや、ぶつかったのは気づいてたよ。そこじゃなくてさ、何さらっと座ってんの。」笠井は西野を責めるように言った。
「逆にどういうこと?」西野は怪訝そうな顔で言った。
「いや、おれも座ろうとしてたじゃん。気づかなかったの?」
「まあ、そうだね。」
「頭悪いんじゃないの」笠井は頭を指でつついて言う。そこから西野はうざいなあと感じ始めた。
「悪いけどほかを当たってくれる。」西野は早くどこかに行ってほしいといった口ぶりでいった。
「なんでどこうとしないの?いったん立ちなよ」
「なんでだよ、今からレポートしなきゃならないんだよ」西野はだんだんといら立ちを隠せなくなってきた。
「君がぶつかってきたんだろ、本来なら慰謝料を請求するところだよ。君のは悪意のある汚い行いだ」笠井は口調を速くして言った。「申し開きがあれば言ってみろ」
「気づかなかったんだよ。」
「君が悪くないという理屈にはなってないぞ」笠井は真顔で言ったが西野にはそれがすごく鼻についた。
「わかった。降参だ、俺がわるかったよ」西野はそう言うと席を立った。
「わかってくれたならいいんだ。僕も説得した甲斐があった。」笠井は満足そうに言った。だが次の瞬間西野は笠井の頬を思いっきり殴った。すると鈍い音がして笠井は倒れた。「お前とは絶対友達になってやんねえからな。」そう言うと西野は椅子に座り直しレポートを書き始めた。
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