ギャル男に噛みつく西野

2/3
前へ
/10ページ
次へ
  西野は一時間目のチャイムが鳴って5分ほどたっていたが悠々と歩いていた。そこへ金髪で制服を崩せるだけ崩して着た男が走ってきた。西野はすぐにクラスメイトの沢村だと気づいた。 「チャラチャラしてんじゃねえよ」西野が沢村に追い抜かされるときに言った。 沢村はむっとした顔で言い返した。「チャイムなっても歩いている奴に言われたくねえよ」 「チャイムは鳴ってしまったんだから走っても仕方ないだろ」西野は諭すように言った。 「誠意を見せろよ」沢村がまじめな顔で言ったので西野はふき出してしまった。 「それが誠意を見せようとしてるやつの恰好か」西野はカッターシャツのボタンを上から4つも開けている襟元を指して言った。 「うるせえ!一つ閉め忘れたんだよ」 「全部閉めろ馬鹿。大体お前ダサいんだよ。この前なんかボタンは2つしか空いてなかったが、ズボンのチャックが全開だったじゃないか。」 「ファ、ファッションだよ」沢村は顔を赤らめて言った。 「そんなのがファッションなら俺は人間やめるよ」西野は鼻で笑って言った。「大体お前本当にチャラ男なのかよ。まじめだしダサいしチャラ男の要素全滅してるぜ」 「チャラ男に決まってんだろ。この髪型を見ろ」沢村はとぐろを巻いた奇妙な頭を指して言った。 「うんこみたいだな」西野は臭そうな顔をして言った。 「うるさい!これを作るのに1時間かかったんだぞ。」 「世界一無駄な1時間だよ」西野は真剣な面持ちで言った。「俺ならその形のうんこ出すのに5分もかからねえ」 「うんこから離れろ!」 「爆弾みたいに言うんじゃねえよ、人間はうんこからは離れられねえ。」西野は穏やかに言った。 「なに悟ってんだよ!もういい勝手に悟ってろ!俺は先に行くからな!」沢村はぷりぷりしていった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加