464人が本棚に入れています
本棚に追加
「やべ、内密にって言われてたんだった。でも先輩が来てくれないと、合コンして貰えないんですよ」
「まあ、頑張れ」
そんな話をしている内に食堂へと着いた。ヒレカツ定食を頼むと、俺もと真似するように翔大が言った。
空いてる席は……。
辺りを見渡すもちょうど良い席がなかなか見当たらず立っていた時だ。翔大が誰かを見つけ、そっちへと指を指した。
「先輩!! あそこ空いてますよ」
「あそこは……。」
二人はトレーを持ったまま、その席へと向かう。
「荏原先輩、隣いいですか?」
「お、櫻木と翔大か。座れ、座れ」
笑顔でそう言い椅子を引いてくれたのは、同じ部署の荏原基樹。一歳上の先輩だ。優しく面倒見が良いため、後輩からだけでなく上司からの受けもいい。
「聞いてくださいよ。櫻木先輩、また告白されたんですよ」
「されたなんて一言も言ってない」
「はは、本当に櫻木はモテるよなぁ。その秘訣教えろよ」
「自分も知りたいです!!」
「……そんなものありませんから」
「はー。クールっすね。しかも秘密主義だし、でもそんな所もカッコ良くて憧れます」
「それはどうも……。」
最初のコメントを投稿しよう!