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そうなのだ。どんな姿をしていても、藤沢先輩であることに変わりはない。
本が大好きで、言葉少なだけれど優しくて。
藤沢先輩と本の話ができる時間が本当に楽しくて大切だから、今はこれでいい、本気でそう思えた。
「いつまで……笑ってるんだよ」
「だって、先輩と話してると楽しいですから!」
すぐさま背を向けて出口に向かう藤沢先輩の耳が赤い。
先輩だから優しくて、頼りがいがあって。
先輩なのに可愛かったりもして。
先輩を観察することはもちろん楽しいけれど、こうしておしゃべりしている時の方がずっとずっと楽しい。
藤沢先輩とペアを組めて本当によかったなと思いながら、私は笑顔で先輩の後を追いかけた。
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