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藤沢先輩が眼科へ行った翌日、それはちょうど木曜日で、図書委員の当番の日だった。
私がいつもどおり図書室へ行くと、見慣れないインテリイケメンが藤沢先輩の指定席に座っている。
誰だろうと思い、近づいていくと。
「ふ、ふ、ふ、ふ、藤沢先輩っ!?」
インテリイケメンが藤沢先輩とわかり、私は思わず大声を出してしまった。
先輩は呆れた顔で「静かに」と注意する。
私は咄嗟に手で口を押さえ、ペコペコと頭を下げながら急いでカウンターの中へ入った。
「藤沢先輩……眼鏡」
「コンタクトは無理だと思った。あんなの目の中に入れるとか、絶対無理」
先輩、意外と怖がりなのかもしれない。でも。
「すっごくよく似合ってますね、その眼鏡!」
フォルムが先輩の顔の輪郭や目の形に合っていて、本当にとてもよく似合っていた。
これは、イケメンがインテリイケメンになるのも頷ける。
「クラスの人たちもビックリしたんじゃないですか?」
すると、先輩は憂鬱そうな顔で首を縦に振った。
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