(2) 立場逆転!?

10/22
前へ
/22ページ
次へ
 ◆◆◆  藤沢先輩が眼科へ行った翌日、それはちょうど木曜日で、図書委員の当番の日だった。  私がいつもどおり図書室へ行くと、見慣れないインテリイケメンが藤沢先輩の指定席に座っている。  誰だろうと思い、近づいていくと。 「ふ、ふ、ふ、ふ、藤沢先輩っ!?」  インテリイケメンが藤沢先輩とわかり、私は思わず大声を出してしまった。  先輩は呆れた顔で「静かに」と注意する。  私は咄嗟に手で口を押さえ、ペコペコと頭を下げながら急いでカウンターの中へ入った。 「藤沢先輩……眼鏡」 「コンタクトは無理だと思った。あんなの目の中に入れるとか、絶対無理」  先輩、意外と怖がりなのかもしれない。でも。 「すっごくよく似合ってますね、その眼鏡!」  フォルムが先輩の顔の輪郭や目の形に合っていて、本当にとてもよく似合っていた。  これは、イケメンがインテリイケメンになるのも頷ける。 「クラスの人たちもビックリしたんじゃないですか?」  すると、先輩は憂鬱そうな顔で首を縦に振った。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

253人が本棚に入れています
本棚に追加