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「なるほど。さすがまどかというか、何というか」
「……どういう意味?」
苦笑する真由ちゃんに、私は口を尖らせる。
「自分からライバル増やすとか、私には考えられない」
「違うっ! 私はただ先輩の皺がぁ~~」
「この分じゃ、先輩がコンタクトにしてたって同じことよねぇ。先輩と付き合えるようになってからでもよかったじゃん、眼科に行けって言うの」
「う……」
付き合えるようになってから言うの? 付き合えるかわからないのに?
そんなの無理だ。
「さて。折しも今日は木曜日だし? 私も一回インテリイケメンを拝んどこうかなっ」
「え!? 彼氏さんは?」
「今日は友達との約束があるんだって。だから帰りは別なんだ~」
そう言ってウキウキする真由ちゃんに、今度は私が苦笑する。
たぶん、こういうミーハー感覚で来る人も多いんだよね。だから、図書室が大盛況になんてなっちゃうんだな。
しかし、今日に限っては昔のようにひっそりとした静寂を取り戻すことになった図書室。
何故なら、藤沢先輩が先生からの頼まれごとで、こちらに顔を出せないことになってしまったからだった。
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