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「まどか、最近木曜日の図書室が大盛況ってホント?」
クラスで一番仲良しの真由ちゃんにそう聞かれ、私はうんざりとした面持ちで頷いた。
「うん……。最初は他の曜日の人に応援頼もうかと思ったくらい。でも意味ないから止めた」
「なんで?」
真由ちゃんが首を傾げる。
利用者が増える=仕事が増える、ということで、二人で手に余るなら応援を呼べば瞬時解決、普通はそう考えるだろう。実際私もそう思っていた。
しかし、状況を分析してみると、それが意味をなさないことはすぐにわかった。
何故なら、増えた利用者のほとんどは女子で、彼女たちの目当ては藤沢先輩だったからだ。
彼女たちは藤沢先輩を見に、そして貸出や返却処理をしてもらうついでに言葉を交わしたいという一心で図書室にやって来る。
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