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そのせいで返却された本を棚に戻す作業は大変になってしまったけれど、人気のある本以外は時間のある時にゆっくり戻せばいいから、結局応援は必要ないという結論に至った。
窓口処理に関しては、彼女たちは藤沢先輩が目当てなのだから、例え待ち時間が長くなろうが問題ないし、早く処理をしてほしい人は私のところへ来てもらえばいい。そして実際そうなっている。
現状、一番割を食っているのは藤沢先輩だろう。
そう説明すると、真由ちゃんは呆れたようにハァと溜息をついた。
「えーっと……藤沢先輩って皆から怖がられてなかったっけ?」
そうなのだ。
藤沢先輩はとてもいい人にも関わらず、いつも眉根を寄せて不機嫌顔をしているせいで、周りから恐れられていた。
私も最初こそ怖いと思っていたけれど、一緒に当番をやるうちにそんなことは感じなくなった。
藤沢先輩がいつも不機嫌そうな顔をしているのは、実は目が悪かったからだと判明したからだ。
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