(2) 立場逆転!?

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「平井」 「……」 「平井!」 「えっ!? あ、何ですか?」  考えるのに夢中になっていたので反応が遅れ、慌てて藤沢先輩の方を見ると、先輩は私から目を逸らしてボソッと言った。 「平井って目、悪い?」  質問の意図がよくわからなかったが、とりあえず私はコクンと頷く。 「はい、すごく。裸眼だと、いつも座ってるこの距離でも、藤沢先輩の顔の輪郭がぼんやりとかろうじて見えるかなーどうかなーってくらいです」 「そんなに!?」  藤沢先輩らしくない声に、私は「しめた!」と思った。攻めどころはここだ。 「そうなんですよー。だから本も読めません。眼鏡かコンタクトなしじゃ、生きていけないんですよ、私」 「大袈裟な……」 「勝手がわかってる自宅なら何とかなりますが、それでも結構危険です。裸眼で歩き回るとあちこち打ち身だらけになるし」 「……それは不便だな」  よし、かなり傾いてきたぞ!
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