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「すっごく不便です。でも、藤沢先輩はまだ裸眼でも生きていけるんですよ! 私みたいになっちゃったら、裸眼でいられるのはお風呂と寝る時くらいになります!」
「……」
黙り込む藤沢先輩に私が首を傾げていると、先輩はこちらに近づいてきてジッと私の目を覗き込むようにして見た。
ぎゃっ!! せ、先輩、近づきすぎ!! このままほんの少しでも何か力が加わったら、少女マンガ的展開が待ち受けていますっ!!
私が心の中でワタワタと慌てふためいていると、先輩は納得したような顔で私から少し離れた。
……はぁ、心臓が口から飛び出るかと思った。
「平井はコンタクトなんだな」
そう言う先輩に、私はまたコクンと頷いた。
「はい。中学までは眼鏡だったんですけど、高校からコンタクトにしました」
「なんで?」
それはもちろん、眼鏡が似合わなかったからだ。
いや、それは正しくない。眼鏡は私のキャラに合わなかったのだ。
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