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この物語のあらすじ
この世界には、人々を襲う魔物と呼ばれる生物が存在し、人々の生活を脅かしている。
陸地の大部分が砂漠に覆われたデザルタ大陸では、人々が魔物に対抗するために遊動集団という組織を結成し、古くからこの大陸に住む人々を魔物の脅威から守ってきた。彼らは大陸中を巡りながら、日々魔物と戦い続けている。
遊動集団ゼートに家族とともに所属しているナツキは、ゼートの中でも若い一六歳の少女である。彼女は遊動集団の中でたった一人、刀を得物とする団員で、その実力はとても高い。また人々を守るというゼートの理念をよく理解しており、団長からの信頼が厚い団員でもある。そんな彼女を、将来団長になり遊動集団の地位向上を目指す兄のスバルは快く思っていなかった。
団長の交代が一ヶ月後に迫ったある日、スバルはナツキの暗殺を企てる。その計画を偶然知ったナツキの両親は、ナツキに団を離れることを勧めるが、ナツキが団を離れる前にその計画が実行されてしまう。窮地に陥るナツキであったが、姉のハルカの力を借りてなんとか逃げ延びることに成功する。そしてナツキは、遊動集団を都市定住者たちよりも上位の存在としようとする兄を止めるべく、姉とその友人たちの力を借りて行動することを決意する。
姉の助言を頼りに大工業都市カンカラや、人が立ち入ることができないと言われる霧島を訪れ、そこでナツキは力をつけながら姉の正体やこの世界、魔物について知っていく。
遊動集団ゼートと、なにより兄に対抗するだけの力を身に着けたナツキは、姉とともにデザルタ大陸へと戻りゼートと対峙する。ナツキは兄との激戦を繰り広げる中で、ついに兄の致死の一撃を避けきれなくなる。ナツキが死を覚悟したとき、その一撃を姉がかばい死んでしまう。しかし姉がつくったその一瞬の間で、ナツキもスバルを切り捨てる。
兄を殺し、心のよりどころである姉を失ったナツキは、ゼートが元の遊動集団に戻ることを信じて姿をくらませるのであった。
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