タイムカプセル

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 ユキエは勉強は私と同じで平均的だがスポーツはどれも得意で部活はバレー部に入っておりエースとして扱われていた。勝気な子で明るいととってもいいのだが態度は少し高圧的でそのせいもあってユキエを苦手とする子は多い。  情に熱いと言えば聞こえはいいがその情熱は暴走することがあり、以前友達が振られたということを話すとその友達の彼氏に平手をくらわしたことがある。有名な話だ。  ここまでタイプが違う三人だが高校から一緒なのに幼馴染のように仲が良かった。  タイプが違うなとお互いに気が付いているけど、移動教室はいつも一緒だしお昼はもちろん一緒に食べるし帰るときも部活がなければ三人で帰った。  今日のこの授業はずっと眠かった。お昼のお弁当の肉が堅かった。今日の体育は苦手な球技で本当に帰りたい気持ちだった。でも今日はあの子に話しかけられたからうれしかった。  性格が天と地、水と火、朝と夜くらい違うのに会話の内容に困ることはなかった。周りから見てもどうしてあの三人は仲がいいのだろう、何か危ないつながりでもあるんじゃないかと噂が流れたこともあったが三人とも気にしなかった。  ユキエはその噂をとても面白がって「本当に何かやってやろうか」などと言っていた。交友関係が広いユキエは他校の生徒とも仲が良くそのつながりで大学生や社会人にも親しい人がいて、夜な夜な遊んでは補導されることもあった。     
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