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やっぱり双子だって、どんな同じ顔してたって、見た目が変わらなくったって、立っている場所が違えば見える景色も変わる。
ほんの一歩の差とはいっても、やっぱり違う。
まったく同じ空間を同じ軌跡を描いて存在し続けなきゃ、同一人物には、なれない。
呼吸の回数も違うこともあれば、下校中に買ったシェイクが、チョコとバナナの違いがあったことだってある。
ほんの小さな違いが積もれば、いつか大きな差になるものさ。
人格だって、きっとそうだよ。
でも、違った。少なくとも根源にかかわる、いっこだけは。
それは、ふたりともナルシストだったことだ。
念のためにというか、ぜひ付け加えたいことなんだけれど、別に自分を美女だと、美少女だとうぬぼれているわけじゃない。
もちろん、自分の顔かたちも、相手のそれも、嫌いでもないし見飽きてもいない。
否定的な要素は、まったくない。
なんというか。すごい気心知れて負担を感じない相手が、自分に一番近い場所にいる姉妹だった。という話。
それを前提にして、ちょっとこう、Mっ気なんてないけれど、それをされても安心できる相手からの「ちょっとしたいじわる」が欲しいというか。
んで、されてから甘えたいというか。さらーに、その甘えは絶対自分だけが特権として独占できるものであれ、というか。
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