尻に敷かれる夫

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(はぁ、残業疲れたな。突然明日までに仕上げるの手伝ってくれってなんだよ……) なんて事を軽く心の中で愚痴りながら もう時計の針が12時を回っている中、その疲れた重い脚を前に進めながら家に向かうのだった 自分は俗に言うプログラマーと言われる職業についている。 アプリケーションのアップデートした事による新たに発生したバグの修正に駆り出されたのだ 入社してからもうそれなりになり仕事にもなれたとは言え、やはり残業は辛い。残業代出るとしてもだ ブラックではないがホワイトでは無いのは間違い無い。やり甲斐を感じるからそう感じるだけかもしれないが 家に帰ったら早く寝て明日に備えよう…… 既に1時に近付いている時計の針を見ながら 家の鍵を取り出す。 妻と娘はもう寝ているだろう…… そう思いつつ、扉の鍵を開ける そうして扉に手をかけたところで 突如、悪寒が走った 周りを見渡すがただ暗いだけで特に変わった様子は無い。気味悪く思い家に入る 入った瞬間背筋が凍る。その原因は家の中にあったのだ そこには明らか怒気を発している妻が仁王立ちで立っていたのだ 「こんな時間まで何してたの?」 「し、仕事で残業を……」 「昨日は何の日か……覚えてる?」ニッコリと笑う 「……へ?」呆気に取られた声をつい出してしまった。特に変わったことの無い平日だったはず…… その言葉を聞いた途端明らか不機嫌な様子で「結婚記念日」そう言われたその時全ての疲れが吹き飛んだ 「すまん!」そう頭を下げる ポキッポキッという音の後、頭にゴツン!という鈍い音をたてて頭に衝撃が走る それは妻のゲンコツだった ついカッとなるとでが出るのは昔から変わらない 「せっかくいろんな準備して楽しみにしてたのに……」その姿は先程の様子からは考えられないほど悲しそうだった 「その、ほんと、すまん……」 その時、突然引っ張られて頭に柔らかい物が当たる 「自分こそごめん、お仕事お疲れ様」 抱き締められる形でそう言われる その姿はとても愛らしかった
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