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「美沙も……ヒック……卒業おめでとう」
「ぐすっ……私たちずっと親友……だからね」
アキちゃんとカノちゃんに出会えたおかげで私は明るい学校生活を過ごすことが出来たのは紛れもない事実である。
この2人と友人になれたことは私の人生の財産だった。
「今までありがとうアキちゃん、カノちゃん。いつまでも元気でね」
かけがえのない自分の友人たちへ私は明るい笑顔で最後の言葉を贈る。
そして2人も、私へと最後の別れを告げた。
「美沙……天国に行っても……私たちの事忘れないでね」
「ばいばい……美沙……美沙ぁ……!」
そういって2人は仏花が置かれた私の席でまた涙を流す。
山岸美沙。享年18歳。
私は去年の12月、交通事故でこの世を去った。
今、このクラスにいる誰からも私の姿は見えていないし声も聞こえていない。
何故自分の魂はあの世でなくこの教室にいるのか。それは事故に遭い、死んですぐに天の声が聞こえてきたからだ。
〝私はサービス精神旺盛な神様。不幸な死に方をしたあなたへ特別なサービスを提供します〟
自分の死体を見つめる霊となった私に軽口な神様はこう続ける。
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