572人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど…………。
クイっ。
彼女は同意しなかった。
いつもなら同意して準備を手伝ってくれるのに。
私がインスタント珈琲を用意しようと立ち上がると、袖を引っ張ったのだ。
それも少しだけ強めに。
「どうした?」
「…………。」
聞いても答えない。
でも私を引っ張るこの手も離れていない。
どうしたのだろう。
「千景ちゃんって優しいよね…。」
「うん?」
「いつも私を気遣ってくれるし、優しい。」
そりゃあ……ね?
恋人だし、私にとって大事な人だから。
「そ、そんな千景ちゃんにもうひとつ…プレゼントがあるの!」
「は、はい。」
思わず敬語になってしまった。
なぜ?
私にも分かりません。
最初のコメントを投稿しよう!