15.嫉妬と奮闘 その2

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「天音。私、これでも一杯一杯なんだ。引き返すなら今だよ?」 「千景ちゃんはやっぱり優しいね。でもね、私、千景ちゃんにこれ以上我慢してほしくない気持ちはあるけど…これは私自身の願望でもあるの。」 「願望?」 「もう…ここまで言ってるのにまだ言わせる気?それともものすごい鈍感さんなの?」 鈍感なわけない。 私はわりと敏感なのだ。 だから…もちろん私は天音が何を言いたいのか。 何を伝えたいのかは分かってる。 ってかさっき気付いた。 驚きの気持ちもあるけど。 それでも…。 「私は、天音の言葉で聞きたいんだ。」 あえて言わせたいのだ。 そして…。 真っ赤になりながらも、少しだけ睨まれながらも…恥ずかしながら言ってくれる彼女を見たいのだ。 「………千景ちゃんの意地悪。」 そう、この顔。 少しだけムスッとしながらもどこか期待してるその表情。 私は密かに天音のこの表情が好きだったりする。
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