15.嫉妬と奮闘 その2

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自分の口角が上がるのが分かる。 鼓動が早くなっていくのも分かる。 何より、興奮してるのが分かる。 彼女の表情だけでこんな気持ちになってしまうなんて…めちゃくちゃ好きなんだな。 「私を……。」 天音の目線が泳いでる。 でも一生懸命なのが伝わってくる。 「私を…………抱いて……。」 その言葉だけで、理性が飛びそうになる。 だけど……まだだ。 まだ、我慢だ。 頭の中で必死に自分を抑えながら待つ。 彼女の言葉には続きがある。 だって私がそう望んでるから。 彼女もそのことを理解してるから。 「千景ちゃん…。」 「うん。」 「千景ちゃんとのキス、大好きだよ。でも…もっと千景ちゃんを…独り占めしたいの。」 「うん。」 「もっと…キスしてほしいし…もっと触れてほしい…。」 「うん。」
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