1.退屈な毎日

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「それより、早く行かない?あたしらの担任、赤鬼でしょ?時間にうるさいんだよね。」 赤鬼? 誰だっけ。 「ほら、去年現国と古文の担当だったやつ!」 現国? あ…分かった。 赤鬼というのは、あだ名らしい。 誰がつけたかは知らないけど。 確か、現国と古文担当でそのくせにゴツくて万年ジャージだった気がする。 いかにも体育担当!って感じの。 確かに時間にうるさかった記憶があったっけ。 「でもさ、赤鬼なら良かっただろ。千景のこともちゃんと見る奴だし。」 「あー…。」 まぁ赤鬼は他の先生とは違うかも。 他の先生と違って、差別しないし成績も文句とか嫌そうに見ないし。 現国は授業出てたから当然何もなしで、古文はほぼサボってても成績とってたから「たまには顔出せよ?」って笑ってくれるし。 「はぁ。俺だけ離れるとかどんな罰ゲームだよ…。」 「神様も思ってんじゃないの?悠人は千景から少しは離れるべきだってさ。」 「んだよそれ。意味わかんねぇ。」 「忘れたとは言わせないわよ?あんたのせいで千景の男関係拗れまくったんだから。」 それ、大声で言わないでくれないかな。 「そんなことで拗れるなんぞその程度なんだよ。」 ユウもヒートアッブしないでくれないかな。 「二人とも落ち着け。注目浴びてるぞ俺ら!」 大ちゃん、注意するところ違う。 注目とかどうでもいいから話を変えて欲しかった。 「あ、そうそう忘れるところだった!千景、今の彼氏とは続いてるの?」 なんでそれを今持ち込むのですかね? 注目浴びてるのに。
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