3/3
前へ
/246ページ
次へ
 ワイシャツの腹部には、まだ乾き切っていない血痕がべっとりと付いている。  喉が渇いているのに、水を口にしていないのに、何で涙が溢れてくるのだろう? 私、このままここで死ぬのかな? 誰にも気付かれずにひっそりと孤独に……絶望しかなかった。  もう、駄目かも。諦めがふと過った時だった。 「……モモカ」  誰かが私の名前を呼んだ。
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加