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一週間の間、男はありとあらゆる手段を試した。
トイレに異物を流して、異常を知らせようとしたがペンは汚物処理器に粉々に砕かれ流れて行った。
火事を起こして異常を知らせようとして、火種が無くて失敗した。
部屋の隅々まで叩いて壊せそうなところが無いか調べてみて、どこも男には壊せそうにないことを知った。
シャワーの排水溝からなにか手紙を流せないかと思ったが髪取りパックに引っかかって自動洗浄されただけだった。
食事が注文できるなら外部と連絡がつくのでは?と思ったが、食事は事務的に電子信号が送られ料理が運ばれるだけのシステムであること思い出して絶望した。
その他、思いつくことを全て試したが全て無駄だった。
美味しい食事と清潔なトイレとシャワーと安全な寝床があるのに、男の精神は急速に消耗していった。
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