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(考えろ、考えろ…)
男はいったん冷静になろうと、昼食を食べ考える。
食事の時、皿に閉じ込められているから助けて欲しいとメモを書いて置いてみたが、反応は無かった。確かこの皿はそのまま洗い場に行くだろうから誰も気づかず汚水と混じって処理されてしまったのかもしれない。
次にどうにか外部と連絡が取れないか試してみた。しかし、インターネットはもとより非常用ダイヤルも全く反応が無かった。まるで外部と繋ぐ意味などないと言われているかのようで男は泣きそうになった。
こんなとき携帯電話を持っていれば良かったのだが、蔵書の中には機密文書も入っていたのでこの部屋に入る前に預けてしまっていた。そんなものなくても、この部屋に備わっているインターネットがあれば友人との連絡には十分だと思ったのが仇になった。
誰でも良い、声が聞きたい。
声を聞いて安心したかった。「あなたは会社の不注意で閉じ込められただけですよ!すぐに出られますよ!」と誰かに肯定してもらいたかった。
「おい!誰か!聞こえてるんだろう!?」
声を張ってもやはり返事はない。
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