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やっぱり〆にはお米でしょう!タラコのせたり、たまごかけたり
この世でいちばんおいしいものは何か?
人類史はじまって以来のそんな問いに、あまたの聖人賢者たちが心を砕いてまいりました。
その答えにはさまざまなものがありますが、わたしが大好きなエピソードを二つご紹介したいと思います。
一つ目はかの"東照大権現"、徳川家康にまつわるお話です。
あるとき家康さんは居並ぶ家臣と戦談義をしていましたが、唐突に「この世でいちばんうまいものは何だと思う?」という問いを発します。
剛勇無双の無骨な戦国武者どものこと、
「干し飯」
「焼き味噌」
「生肉」
などが関の山かと思いきや、出るわ出るわ。
「お餅でござろう」
「いいや、寒ブリにて」
「なんの、タコス…もとい、蛸酢こそ」
などなど、みんな口々に自分がいちばん好きなものの名前を挙げはじめました。
はては「ナン」とか「マカロン」とか言いだす人もいて収拾がつかなくなってきたとき、
「そなたはどうか?」
家康さんはかたわらにそっと侍る女性に声をかけたのです。
彼女の名は「お梶の方」。家康さんの寵愛を受け、幾度となく戦場をも共にした側室の一人です。
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