やっぱり〆にはお米でしょう!タラコのせたり、たまごかけたり

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 すると次の間に一休さんが控えており、 「長らくお待たせもうしました。これに膳をもちましたゆえ、ごゆるりと」  ついに、ようやく、やっとのことの食事です。 「あう、ああ、おああ※▲◎∞%≧∀」  将軍さまは目の前の食べ物をむさぼりました。  うまい。  うまい!  なまらうまい!!  天界に滴るという甘露を、人の食べるものの形に凝らせたかのようなその味わいは、将軍さまとてこれまで口にしたこともないような神気を宿していました。  ちなみにこの「将軍さま」とは室町三代将軍・足利義満。  征夷大将軍と太政大臣という、公武二つの頂きを極めた初の人物です。  明国との貿易を再開し、皇帝より"日本国王"の号を賜った真のスーパーセレブ。  アニメでのまろまろしたおじさま像にだまされてはいけません。  さて、無我夢中心神喪失の状態でお膳をたいらげた将軍さまは、うっとりとその余韻に浸っていました。 「いかがにございましょうや」  かたわらには一休さんが、ややニヤニヤしつつ控えています。  将軍さまはなまらうまかったさっきの料理を口を極めてほめそやし、何なら「左大臣」とでも命名しそうな勢いです。
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