旅行の朝のバイキング。さあ、狩りの時間がやってきました

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旅行の朝のバイキング。さあ、狩りの時間がやってきました

 お小づかいを貯めてときおり旅行にいくのは、わたしたち夫婦の大きな楽しみのひとつです。  でも、あんまり有名な観光地とかテーマパークとかには行きません。  知る人ぞ知る古代遺跡とか、整備されていない山城の跡とか、万葉歌人が旅した道とか、かなりマニアックな場所を訪ねて歩くのがわたしたちのお気に入りです。 「ええ!あったらトコなあーんもねえでやあ!やいやい、モノ好きな姉っこだでなあ!」  的なことをよく言われるのですが、それこそがわたしたちの狙いなのです。  人間が暮らした場所には必ず歴史があり、そこにはいまや忘れられた数々のドラマが秘められています。  歴史のお勉強をしていてよかったなあ、とおもうのはそんなときで、あらゆる土地で心ふるえる物語に出会うことができるのです。  つまりわたしたちにとって「なあーんもないトコ」などというのは存在せず、歴史学の目を通してどんなところでも楽しく過ごすことができちゃいます。  幸い、夫はわたしの歴史好きに理解を示してくれて、彼も小説を書くための取材が必要なときがあるので、お互いの行きたいところをうまくすり合わせて旅行先を決めるようにしています。
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