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なんか駄菓子をたくさんもらったぞ!「地蔵盆」?なにそれ、ねえ
どういうわけか、駄菓子が詰め合わせになった袋を抱きかかえて伊緒さんが帰ってきた。
きょとんと不思議そうな顔をして、あたまの上にたくさんのハテナが浮かんでいる。
なんで突然こんなにお菓子をもらったのだろう、わたしいったい何してるんだろう。
そんなワンダーに満ちた状態で、ことのあらましを語り始めた。
「お家の下の坂をおりきった辻に、お地蔵さまの祠があるでしょう。なんだかそこがすごく賑やかで、なんだべなんだべって覗いてみたの。したっけ、こどもたちがいっぱいいて、祠には色とりどりの飾りがあって、きれいだなあって見てたのさ」
ここで一息ついた伊緒さんは、くぴくぴくぴ、とおいしそうに麦茶を飲んだ。
こくんこくんと白いのどが上下して、早く続きを話したがっている。
「したらおじいちゃんおばあちゃんたちがね、"はぁーい、ここさ並べやぁ。ケンカすんでねぇぞぉ(方言補正)"ってこどもらを集めたの。さらになんだべなんだべ、ってみてたら"おう、こっちさこぉ"って。わたしもなぜか並べられてね、こんなにたくさんお菓子もらっちゃって……って、ああ!なに笑ってるの!」
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