たこ焼きとプラネタリウム。大阪デートの定番おやつです

3/5

143人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
 軽妙な関西弁でのユーモアあふれる解説は、さすが大阪と思わせる楽しさだ。  架空の天球に再現された星々の光はときにやさしく、ときに幻想的で、身体ごとふわふわと宙に浮くような不思議な感覚に包まれていく。  ぼくはいつも、隣でじっとプラネタリウムを見上げている伊緒さんを、時折横目で見てしまう。  投影中はとても暗いので、うっすらと見えるのは身体の輪郭と、彼女の目に映るスクリーンの星明りだけだ。  伊緒さんが瞬きをする度にその目の星が明滅するのが、ぼくにとっては小さな神秘だった。  プラネタリウムを出てからも、しばらくはなんだか身体がふわふわしたままに感じられる。  伊緒さんとふわふわてくてく歩きながら、さっき観た途方もない宇宙の物語に思いを馳せていると、どういうわけかやはりふわふわとおなかが空いてきてしまう。  そんなときにぴったりなおやつが、ザ・大阪名物のほまれも高い「たこ焼き」だ。 「たこ焼きが球状なのは、惑星の姿を模しているためです。8個入りの"8"という数字は、水・金・地・火・木・土・天・海の惑星を表し、冥王星を加えて9個入りとするお店もあります」
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

143人が本棚に入れています
本棚に追加