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さらに近年では、古墳時代の須恵器から"にくきゅう"の痕跡が発見され、考古学界をざわめかせている。
その生物の名は、ネコ。
学名は「フェリス・シルヴェストリス・カトゥス」。
四足歩行の群れない小型肉食獣だが、ニンゲンがいないところでは普通に2本足で歩いていた、という報告が後を絶たない。
その行き過ぎた愛くるしさはもはや暴力といっても過言ではなく、ネコ好きな人は我を忘れてその魅力のとりことなるのだ。
伊緒さんがネコ好きなのは薄々察してはいた(うれしいと"ニャアァアァァァァ"と鳴くし)。
でも子どもの頃はアパート住まいでペットを飼える環境ではなかったそうで、なおのことお家にネコがいる生活に憧れていたようだ。
きっと近くの空き家でノラネコさんが赤ちゃんを生んで、子猫の鳴き声につられて伊緒さんがのぞきに行くようになったのだろう。
それにしても、産後すぐの親ネコがニンゲンの接近を許すとは珍しい。
きっと伊緒さんはネコの仲間だと思われているのだろう。
でも、親ネコは出産後しばらくすると安全のため、子猫たちを連れて何度か引っ越しすることが知られている。
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