今日のお寿司は回りません!東と西でこんなに違いがあるのです

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「こちらでは江戸前と関西風の両方を頂けると聞いて、楽しみに来ました。そういうお店って、珍しいですよね?」  夫がナイスな質問をしてくれました。  まぬけなことにほとんど取材を忘れかけていて、彼がわざわざ東西両方のお寿司を食べられるお店に連れてきてくれたのも、その時気づいたくらいでした。 「はい。先代が両方の寿司を修行した人でして、自分もそれを受け継ぎました。邪道だっておっしゃる方もおられるんですけどね。でも、全国から食材が手に入るようになりましたから、それぞれの一番おいしい食べ方を考えると、東西折衷となりました」  へえぇ、そうなんだ!  関東と関西のお寿司の違いって、考えたこともありませんでした。 「握りでいえば、関西だと白身が多いですね。素材そのものの味を大事にします。ですのでたまり醤油か、あるいは塩で召し上がっていただきます。江戸前はヒカリモノを酢で締めたり貝を煮たり、昔ながらの"仕事"って呼ばれる加工が特徴です。煮詰めを塗って、あらかじめ味付けしてお出しするのも独特ですね」  なるほど……。  たしかに、関東と関西だととれるお魚も違うし、味付けの好みにも差があるのは自然なことです。
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