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いっつもぼくのためにおいしいものを作ってくれる伊緒さんに、たまには楽をさせたいという気持ちもある。
天ぷらは時折お家でも彼女が揚げてくれるけど、とっても手間のかかる料理のひとつだと思う。
ぼくも一人暮らしをしていたときにチャレンジしたことがあったが、その後二度とすることはなかった。
しかもこの連日の猛暑では、とてもじゃないけど揚げ物は過酷だろう。
お店は繁盛していて、ほとんど満杯に近かった。
なんとかカウンター席に伊緒さんと並んで腰掛けると、ちょうど目の前の大きな油鍋で職人さんが天ダネを揚げているところだった。
客席に油が跳ねないように、鍋とカウンターの間には透明のガードが取り付けられている。
おお、おお!これはまさしく子どものころに夢見た感じではないか。
かたわらにはちゃんと美女もおわすぞよ。
メニューの写真を見るとあれもこれも食べたくなってしまうけど、二人とも意気込みほどには食べられないので、一番スタンダードなご飯とお味噌汁付きのセットを選んだ。
それでも天ぷらは海老・烏賊・鶏・魚、さらに野菜4品というボリュームだ。
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