143人が本棚に入れています
本棚に追加
大和名物「柿の葉寿司」!鯖寿司を、柿の葉っぱでくるんでみたよ
ぜんたい、当たり前のようにそこにあるものには、なかなか有り難みを感じられなくなるものらしい。
空気も水も、無いと命に関わるものなのに、普段はほとんど意識することもないのではないか。
ぜいたくな話とは思うけど、ぼくにとってそういうもののひとつに「柿」がある。
そう、学名を"kaki"という、日本の里山原風景に溶け込んだあの赤い果実のことだ。
ぼくのふるさとである和歌山は、なにを隠そう柿の生産量は日本一。
和歌山といえば柿、柿といえば和歌山、というくらいの柿のメッカなのである。
「そこな柿、いくたりありしや」
「那由多なりしか」
という柿仙人たちのやりとりは誰も知らないけれど、とにかく無限といっていい量だと思う。
∞。
MUGEN。
インフィニティ。
高校生の頃、「選果場」と呼ばれる施設で柿を箱詰めするアルバイトをしたことがある。
ベルトコンベアでそれこそ無限に流れてくる柿を、気力・体力の続く限り出荷用の化粧箱に詰めていくのだ。
「3L」という規格ともなると1個がゆうに300gを超え、もうなんなのか分からないくらい大きい。
最初のコメントを投稿しよう!