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夏祭り!夜店の食べ物って何でこんなノスタルジックなのでしょう
ぼくの育った地元には大きな川が流れていて、その川原で毎年お盆の頃に夏祭りが行われる。
近隣では有数の規模のお祭りで、盆踊りとか灯籠流しとか打ち上げ花火とか、とにかくフルコースの行事だった。
そしてものすごいのが夜店の屋台で、河川敷いっぱいはおろか、沿道にまでわんさかはみ出してひしめくのだ。
普段は夜になると真っ暗な界隈なのだけど、この日ばかりは遠くからでもその灯りが認められて、幻想世界の夜市が開かれているかのような賑わいとなる。
地元の男子学生にとって、彼女連れでこのお祭りに行くというのがたいへんなステータスとされていた。
あいつ何か最近付き合いわるいなー、と思っていたらあんのじょう、毎年一緒に夜店をひやかしていたのに「今年はちょっと……」などと言い出すのだ。
でも小さな街のことだから、コソコソしたところでお祭り会場では絶対に誰かに発見されて、またたく間に噂は広まる。
何組のA田と何組のB子が手つないで歩いてた!
いやいや、C山は隣町の女学校の子と付き合ってる!
等々、日に千里を駆け抜けるという噂話のその速さたるや。
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