さあさあ、みんなでジンギスカン!里帰りと伊緒さんのお母さん

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 ではこのあと食事に、ということで連れて行ってくれたのが、かの有名な「ジンギスカン」のお店だった。  溝のついた鉄兜みたいな独特の鍋でやる羊の焼き肉で、札幌ではみんなが集まるととりあえずジンギスカン、というのが定番だそうだ。  ぼくはこのとき初めて生ラム肉のジンギスカンをいただいたのだけど、やわらかくってクセがなくって、とってもおいしいものだった。  脂はさっぱりとしているのに旨みがあり、しこしここりこりとした食感も「肉を食べてる!」という喜びにあふれている。  羊肉には一歳未満のラムと、それ以上のマトンとがある。  マトンは肉質がしっかりして羊特有の風味も強いので、初めての人には少し抵抗があるかもしれないとのことだ。  また、あらかじめタレに漬け込んだ味付ジンギスカンというのもポピュラーで、家庭ではこれがよく食べられるらしい。  鍋を熱している間にビールで乾杯、いわば家族の盃を交わす。  「んくっ、んくっ、んくっ」と、真緒さんも伊緒さんもさすが気持ちのいい飲みっぷりだ。  改めて二人を見ると母娘なんだなあ、としみじみ思うくらいよく似ている。
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